2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540018
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉原 久夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60114807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大渕 朗 徳島大学, 総合科学部, 教授 (10211111)
今野 一宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186869)
徳永 浩雄 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30211395)
高田 敏恵 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (40253398)
小島 秀雄 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (90332824)
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Keywords | 代数曲面 / ガロワ被覆 / ガロワ埋め込み / 分岐被覆 / ガロワ群 / アーベル曲面 |
Research Abstract |
代数曲面のガロワ埋め込みを研究する準備として,まず平面曲線と空間曲線に関して研究した。平面曲線については特異点をもつ有理曲線について,P^1の有限位数自己同型群として現れる5種類の群のすべてが,ガロワ点に付属したガロワ群として実現できることを証明した。また,一方特異点のない空間曲線について,ガロワ群の可能性やガロワ直線の本数の可能性を考察した。特に,曲線の種数が1以上ならガロワ直線の本数は有限個,特に次数が5以上の素数なら高々1本しかないという成果を得た。これらの成果を参考にして,曲面の場合にガロワ埋め込みの研究を遂行した。すなわち,代数曲面をSとして、その上のvery ample divisor Dを考え,complete linear system |D|に付随した埋め込みをf: S→P^nとして一般的問題設定を行い,これより直接得られる結果を考察した。その後,詳細な研究は代数曲面のうちでも重要な種類のアーベル曲面Aに関して実施した。(A, D)はガロワ埋め込みを与えているとすると,以下の成果が得られた。1.π:A→P^2を被覆として,その分岐因子をRとすると,Rは可約でその成分は楕円曲線である,従って特にこのようなアーベル曲面は単純ではない。またガロワ群Gは可換ではない。このことは1次元,すなわち楕円曲線のときとは異なる現象である。2.ガロワ群Gを複素表現したときのholonomy群Hの構造をすべて決定できた。それは位数6,8の二面体群の他に4種類の群しかない,特に位数は72以下である。Gの複素表現のtranslation partの正規部分群をG_0とすると,B=A/G_0はAと同種のアーベル曲面であり,さらに,同じ楕円曲線Eの直積である。また,それぞれの具体例も比較的沢山構成した。
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