2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷川 好男 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (50109261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金光 滋 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (60117091)
塚田 春雄 近畿大学, 産業理工学部, 准教授 (00257990)
秋山 茂樹 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (60212445)
木内 功 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30271076)
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Keywords | 関数等式 / モデュラー関係式 / H-関数 / メリンーバーンズ積分 / 2重ゼータ関数 / 指数和 / 多項式ゼータ関数 |
Research Abstract |
この研究課題では,ゼータ関数の対称性,すなわち関数等式をモデュラー関係式を通して一般的に捉えることにより,従来の数多くの研究を高い見地から見直し,更なる一般化を試みることが目的としていた.この研究において,モデュラー関係式を,メイヤーのG-関数やフォックスのH-関数を積分核とすることにより,最も一般的な形で定式化することができたことは大きな成果である.これにより従来の多くの研究の意味がより明確に理解できるようになった.たとえばダヴェンポート-セガルに始まる数論的フーリエ級数の公式を,モデュラー関係式の観点から一般化し,多くの新しい例を与えることができた.それ以外に,フルウィッツゼータ関数に対しても関数等式の新証明や,エスピノザーモル,あるいはミコラシュに触発され,それをフーリエ級数展開とみなすことで,数論的に興味深い多くの積分公式を得た.これらの成果は現在,本にまとめるべく執筆中である.多重ゼータ関数も当研究の大きな研究対象であった.特にオイラー・ザギヤー型の2重ゼータ関数の,いわゆる「臨界領域」における虚軸方向の大きさの評価において,クラツェルの2重指数和の理論を駆使することにより,非自明な結果を得,従来知られていた結果を大きく改良することができた.これは今後数論的関数の和の研究などにおいて多くの応用をもつと期待される.また3重ゼータ関数に対しても同様の研究を進め論文としてまとめ,すでに掲載が決定している.上記以外のゼータ関数として,多変数の多項式ゼータ関数を扱った.ある種のクラスの多項式について,対応するゼータ関数の解析接続可能な判定条件を与えるとともに,自然境界を持つような例を構成した.
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Research Products
(4 results)