2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540034
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平峰 豊 熊本大学, 教育学部, 教授 (30116173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 アツミ 熊本大学, 理学部, 教授 (90040120)
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Keywords | relative difference set / group ring / p-group / affine type / meta-cyclic group / semiregular type / cyclotomic field |
Research Abstract |
Rを群Gの正規部分群Uに関する相対差集合とすると剰余群G/UにおいてRU/Uは通常の差集合となる.この差集合が自明な差集合となるときはアフィン型と半正則型の2種類があっていずれも多くの無限系列が知られている.この両者はある意味で似ており,一方の研究手法が他方にそのまま使えることもよく起こる.今年度の研究成果は2つある.一つはメタ巡回群のように巡回群の拡大になっているアフィン型相対差集合の研究に関するものであり,他の一つは半正則型相対差集合の予想に関するものである. 前者については位数n^2-1のアーベル群Gにおける位数n-1の部分群Nに関するアフィン差集合を拡大の因子団の言葉で表し,アフィン差集合が存在するための条件を因子団を用いて表した.さらにアフィン差集合は位数の素因数を乗数として持つことが知られていることを用いて,因子団と乗数の関係を詳しく見ることにより,素因数がすべてnの素因数の部分集合である任意の自然数mに対してOrd_<exp(G/N)>(m)=c Ord_<exp(N)>(m)(c=1,2)が成り立つことを示した.これはアフィン差集合の可能な位数nに強い制限を与える定理である. 後者についてはS.L.MaとB.SchmidtによりZp^2×Zp^2には(p^2,p,p^2,p)-差集合は非存在ではないかという予想が以前から知られていた.C.Remlingが1996にp=3の時を計算機を用いて非存在を示したようである.またS.L.MaとB.Schmidtは2000年の論文のなかで(p^2,p,p^2,p)差集合の存在とある種の関数の存在が同値であることを示したが、非存在の証明には成功しなかった。今年度の成果の一つとしてこの予想を解決した.方法は差集合を群環の方程式で表し線形指標によるその値から得られる円分体における関係式を調べてmultisetを対応させそれをもとに矛盾を導き次のようにMa-Schmidtの予想を解決した. 定理 Zp^2×Zp^2には(p^2,p,p^2,p)-差集合は存在しない.
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Research Products
(2 results)