2006 Fiscal Year Annual Research Report
ワイル群不変なジャクソン積分に付随するホロノミックq差分方程式系の研究
Project/Area Number |
17540037
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 雅彦 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (30348461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 健二 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (20306492)
小池 和彦 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70146306)
薩摩 順吉 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70093242)
矢野 公一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60114691)
川村 友美 青山学院大学, 理工学部, 助手 (40348462)
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Keywords | ジャクソン積分 / ワイル群 / q-差分方程式 / ルート系 / 対称式 |
Research Abstract |
BCn型ジャクソン積分が満たすホロノミックq-差分方程式の研究を行った。前年度の研究により、この差分方程式系のランクがわかったため、今年度は、BC1の場合に、この差分方程式系の基本解を構成し、一般解を基本解の線形結合:で表示する公式(接続公式)を具体的に与えた。1930〜50年代に盛んに研究されたq-超幾何級数の変換公式のうち、Sears, Slater等が証明したvery-well-poisedと呼ばれるクラスの変換公式は、今年度示した接続公式の特別な場合になっていることがわかった。BCn型ジャクソン積分はワイル群の対称性に着目しているため、この接続公式の証明はSears, Slaterの証明法と比べて、とても単純明快なものとなっている。また、この接続公式は、最近のSchlosserによるq-IPD型超幾何級数の変換公式も特別な場合として含んでいる。このことを津田塾大学・真田ゆかりの協力を得て確かめることができた。 BCn型ジャクソン積分が満たすホロノミックq-差分方程式の基本解を構成する際、基本解が方程式のランクの個数だけ存在し、かつ一次独立であることを証明するために、差分板のロンスキー行列式が非退化であることを示す必要がある。その行列式の計算はある極限操作の後、A型、C型の既約指標を行列成分にもつ行列の計算に帰着される。この既約指標を行列成分にもつ行列式はファンデルモンドの行列式の拡張になっており、単純な差積で表示できる。この差積で表される公式を青山学院大・小池和彦とともに証明した。
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Research Products
(6 results)