2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540047
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
平林 幹人 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (20167612)
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Keywords | 虚アーベル体 / 相対類数 / 相対類数公式 / Maillet行列式 / Demjanenko行列式 |
Research Abstract |
1.pを奇素数、gを法pの原始根として、1/pを1/gのべき級数で展開したときの係数でできる行列式でp分体の相対類数が表せる。p分体の相対類数は他の形の行列式、Maillet行列式、Demjanenko行列式でも表せる。これら3つの行列式は、津村、研究代表者、Kuceraによって、パラメータを持った形で統一化、一般化された。これらの行列式の成分は、導手を法として最小正剰余から作られる。また、絶対最小剰余からも同様にして、相対類数公式ができる。2003年、円藤がこれらのp分体の公式それぞれ一般化した。本研究で円藤の公式がKuceraの公式から導かれることを示した。この結果を平成18年1月に首都大学の数論セミナーで発表した。 2.津村によって、虚アーベル体Kの相対類数は、その導手mを法とする最小正剰余を-1のべきにとったもののいくつかの和を成分とする行列式で表せている。他方、p分体について、円藤は、絶対最小剰余を成分とする行列と-1の絶対最小剰余のべきを成分とする行列の積の行列式でp分体の相対類数を表した。また、金光-葛巻は、絶対最小剰余を成分とする行列式でp分体の相対類数公式を求めた。これらの商で-1の絶対最小剰余のべきを成分とする行列式が、ある条件の下でp分体の相対類数を表すことになる。本研究では、この商でできた公式を虚アーベル体まで拡張し、その系として、円藤、金光-葛巻のp分体の公式を条件なしで表した。この結果を平成18年3月の日本数学会で発表した。
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Research Products
(2 results)