2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540047
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
平林 幹人 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (20167612)
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Keywords | 虚アーベル体 / 相対類数 / 相対類数公式 / Maillet行列式 / Demjanenko行列式 / Newman行列式 |
Research Abstract |
1.最近、円藤によって奇数導手の円分体Kの2次拡大の相対類数とKのそれとの商が1つの行列式で与えられた。(この結果は今だ未発表のようである。)本研究代表者はこの結果を円分体から一般の虚アーベル体に、パラメータを含んだ形で拡張した。特に、Kをp分体(pは奇素数)とし、Kの2次拡大として、Kと4分体の合併体を取り、パラメータを4p+1とすると、金光-葛巻が条件付きで与えていた相対類数の商の公式が符号をこめて最終的な形で得られる。また、Kを導手mの円分体とし、Kに4分体、8分体の2次部分体を添加した体とし、パラメータを4m+1、あるいは8m+1とすると、円藤の公式が符号をこめた形で得られる。また、パラメータを2とすると、円藤の1990年の公式ができる。これらの結果とこれまでのいろいろな公式の相関関係を明治学院大学の数論セミナー、京都大学の数理解析研究所の研究集会「代数的整数論とその周辺」で発表した。 2.1970年Newmannは奇素数分体の相対類数を計算するために、相対類数を行列式で表した。また、Skulaはこの公式を奇素数べき分体に拡張した。本研究代表者はこれらの結果を一般の虚アーベル体まで、パラメータbを持った形で拡張した。この公式において、体をp分体(pは奇素数)、bをp+1とすると、Newmann、Skulaの公式が得られ、彼らが決めていなかった行列式の符号を決めることができる。この結果を上記の数理研の研究集会で簡単に紹介し、本年度5月に金沢の研究集会で詳しく紹介した。
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