Research Abstract |
Simultaenous Pell Equationsの正の解の個数が2個以下だという定理の証明を完成し,雑誌論文として発表した.Simultaneous Pell Equationsを一般化した |a_1x^2-az^2|=|b_1y^2-bz^2|=4 という形の方程式を研究した.(a_1, a, b_1, bは正の整数,x, y, zは未知整数)本研究の前には、この方程式の正の解の個数が3個以下だと予想していた,しかし,正の解の個数が丁度3個になるような係数が無数にあると想定していた. 本研究により,特殊な係数の属が数個見つかり,それ以外の係数については,正の解の個数が2個以下になるとという見通しがついた.連続的方法に加えてYuanの合同式による方法を併用する新たな理論ができたためである.その理論の概要をリトアニアの集会で発表した.その内容を国内では大学の小さな集会で講演し,中原氏,片山氏にきいてもらった,両氏からの示唆で総実4次体の族の類数問題に応用することを目的として始めた研究であるから,この講演の結果,両氏が中断していた総実4次体の類数問題の研究を再会するものと期待している.長い時間をかけて進めた研究が漸く最終段階に近づいたものであり喜ばしい. 他方,北陸数論研究集会2008で,Weberの類数問題に関する講演を聴講した 福田氏,小松氏など優れた講演が充実していた.その中で単数の大きさの下からの評価が使われていた.Simultaneous Pell Equationsや他の方程式の研究で使った方法が応用できるのではないかと考えて取り組んだところ,結果が出た.これを上記の佐賀大学のDiscussionの時間に話して,円単数の専門家の上原氏に聞いてもらったところよい内容だということ評価だったため,急遽,早稲田大学に講演を申請し,快く受け入れてもらった.結果を簡単に述べるため,用語を若干導入する.cos (2π/2^(n+2))が生成する体をK_nで表すと,K_n(√<-1>)が有名なWeberの円分体というCM体になる.円分体の類数が1になるものは,Baker,Stark,Heegner,...,内田氏,山村氏により完全に決定されていて,有限個である. WeberはK_nの類数が常に1だと予想した.これは非常に困難な問題であり,岩沢理論がこの問題の部分的な回答をあたえるために作られたといっっても過言ではない.nが1以上の時,K_nからK_(n-1)へのノルムをNで表すことにしよう.K_nの単数ε似ついて,Nε=±1のもとで,εを下から評価することが,Weberの問題の解決につながるということを堀江氏,小松氏などが示した.厳密には,K_nの類数を決して割る素数の集合を合同式の意味で制限することができる.本研究では,Nε=-1のもとで tr_(K_n/Q)ε^2≧f(f/2-1)/4 という評価を見つけた.早稲田大学で講演したところ,この評価を使うと堀江-小松-福田の研究が大きく進むということであり.小松氏と福田氏は断念しようとしていた研究を継続する決心をしてくれた.
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