2007 Fiscal Year Annual Research Report
多重ゼータ関数の研究および多重ゼータ値の計算プログラムの開発
Project/Area Number |
17540053
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
津村 博文 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 教授 (20310419)
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Keywords | 代数学 / 整数論 / ゼータ関数 |
Research Abstract |
本研究は,最終年度の三年目に入った。本年度も研究代表者は、本研究の研究課題について、理論的な研究を行うために、国内外の研究者との交流を深め情報交換を行い、それらをもとにして、新しい結果を理論的に構成することに努めた。具体的な交流としては、現在共同研究中の名古屋大学の松本耕二教授,および同大学の小森靖助教との定期的な研究打ち合わせ、またこの分野で活躍しているフランスの数学者T.Rivoal氏(Fourier研究所・主任研究員),G.Bhowmik氏(Lille大学・助教授)等との研究打ち合わせを行い、研究の推進に努めた。 今年度の特に成果のあがった研究テーマとしては、Witten型多重ゼータ関数を一般化した,抽象ルート系に付随したゼータ関数の研究である。とくに,Wittenの物理的な考察によって,Zagierにより定式化されていたWitten Volume Formulaと言われているものの,整数論的な証明を与えることに成功した。さらに,ルート系の言葉を使うことにより,この公式を自然な形で一般化することができた。これらの結果に関して、2007年9月に行なわれた日本数学会秋季総合分科会(於東北大学)の代数分科会特別講演において報告し,さらに一般化した結果に関して、2007年11月にLille第一大学(フランス)で行なわれた解析的整数論のWorkshop"Journees autour des series de Dirichlet"において講演を行った。また研究課題である、多重ゼータ値の計算プログラムの開発も手がけ、ある程度の部分が完成した。できるだけ早い機会に数理科学計算ソフトPARI-GPのマクロパッケージとして,研究代表者のホームページなどでの公開を目指している。
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Research Products
(6 results)