2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540062
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金戸 武司 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70107340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70152733)
酒井 克郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (50036084)
川村 一宏 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (40204771)
坂井 公 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (20241797)
谷山 公規 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
|
Keywords | 厚み付き曲面 / 大域的結び目理論 / conductance / 多変数多項式不変量 |
Research Abstract |
厚み付き曲面内のlink Lについて、厚み付き曲面から曲面への射影によるlink diagramから直接計算可能なbracket <L)とambient isotopy不変量F(L,A)を導入した。<L)とF(L,A)は曲面内の余次元1の自明な成分を含まないlinksのisotopy類全体で生成されるLaurent多項式環係数の自由加群に値をもち、曲面が単連結な場合はそれぞれKauffman bracket多項式、Jones多項式と同等である。単連結でない厚み付き曲面における結び目絡み目現象は局所的側面(=位相的3-球体内の現象)と大域的側面を合せ持つ。<L)とF(L,A)はこれら2つの側面を良く反映している。本研究では、<L)とF(L,A)の性質の解明、一般化と応用を目的とし、本年度は以下のような成果を得た。 1.<L)自体はambient isotopy不変量ではないが、自由加群の元として1次結合として一意的に表され、その係数多項式の比はambient isotopy不変量である。この応用として、曲面が2-pnctured平面の場合、1次結合におけるある特定の2つの項の係数多項式の特殊値(=虚数iの2乗根を代入した値)の比はGoldman-Kauffmanがspecial tunnel linkに対して導入した量(=実数)に一致することを示し、彼等の結果(=その量のambient isotopy不変性)の別証を得ていた。この不変量は電気回路網における2極間のconductance(電気伝導率=抵抗の逆数)に由来する。1つの一般化として、厚み付きn-punctured平面におけるある種のlinksに対しm極間(m>2)のconductanceに相当する量が導入出来、それが同様に2つの項の係数多項式の特殊値の比に一致し、ambient isotopy不変量となるという新しい結果を得た。 2.多変数Alexander多項式のようにlink Lの成分数を反映したF(L,A)の多変数化を試み、Reidemeister move type 1,3不変であるがtype 2については制限付きで不変なambient isotopyより細かい同値不変量を得た。その意義と応用について更に研究を進めたい。
|
Research Products
(9 results)