2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540062
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金戸 武司 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (70107340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久男 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (70152733)
酒井 克郎 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (50036084)
川村 一宏 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (40204771)
谷山 公規 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
横田 佳之 首都大学東京, 都市教養学部, 助教授 (40240197)
|
Keywords | 厚み付き曲面 / 大域的結び目理論 / リンクの積、合成 / supporting genus of link |
Research Abstract |
厚み付き曲面内のリンクLについて、厚み付き曲面から曲面への射影によるリンクダイアグラムから直接計算可能なブラケット<L)とリンク不変量F(L,A)を導入した。<L)とF(L,A)は曲面内の余次元1の自明な成分を含まないリンクのアイソトピー類全体で生成されるLaurent多項式環係数の自由加群に値をもち、曲面が単連結な場合はそれぞれKauffmanブラケット多項式、Jones多項式と同等である。単連結でない厚み付き曲面における結び目絡み目現象は局所的側面(=位相的3-球体内の現象)と大域的側面を合せ持つ。<L)とF(L,A)はこれら2つの側面を良く反映している。本研究では、<L)とF(L,A)の性質の解明、一般化と応用を主目的とし、関連する他の大域的(側面を反映した)不変量についても研究を進め、本年度は以下のような成果を得た。 1.単連結な曲面の場合のリンクの合成、積に対するJones多項式における公式を、一般の曲面の場合のF(L,A)に関する公式に一般化した。 2.リンクダイアグラムDの(曲面における)正則近傍N(D)の各境界成分にディスクを貼って得られる閉曲面の種数を、Dのsupporting genusといい、g(D)と表す。リンクLに対しそれと同値なリンクを表すすべてのリンクダイアグラムのsupporting genusの最小値をLのsupporting genusといい、g(L)と表す。g(L)はリンク不変量で、曲面においてそのリンクがどの程度大域的かを示す物指しとみなせる。閉曲面の場合は0から閉曲面の種数までの各値を取り得るが、局所的でない具体的なリンクに対してこれを決定するの難問である。この問題に関して、「連結かつ交代的リンクダイアグラムDで表されるリンクLについて、g(L)=g(D)である」の詳細な証明を完成した。
|
Research Products
(8 results)