2006 Fiscal Year Annual Research Report
量子不変量と数論的不変量及び保型形式との関連の研究とその応用
Project/Area Number |
17540067
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高田 敏恵 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (40253398)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 茂樹 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (60212445)
樋上 和弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60262151)
|
Keywords | 3次元多様体 / 結び目 / 量子不変量 / テータ函数 |
Research Abstract |
葉広氏によって与えられた、大槻不変量のcyclotomic expansionを利用することにより、結び目のsurgeryによって得られる整ホモロジー球面に対する、次数3までの大槻不変量の公式を与えた。応用として、大槻不変量の関係式を与え、大槻不変量がある無限個のザイフェルト多様体ではない整ホモロジー球面を区別することを示した。 更に、樋上によってえられていたザイフェルト多様体の大槻不変量のデータをもとに、LMO不変量のとりうる値を研究し、代表者によって得られていたザイフェルト多様体のデータを利用することにより整ホモロジー球面に対する、次数6までのLM0不変量の集合を決定し、応用として、整ホモロジー球面に対する、次数6までの大槻不変量の関係式を完全に決定した。つまり、昨年度得られていた結び目のsurgeryによって得られる整ホモロジー球面に対する大槻不変量に対して証明されていた関係式をすべての整ホモロジー球面に対して拡張することができた。 また、樋上は、SU(2)Witten--Reshetikhin--Turaev(WRT)不変量と保型形式との関係を詳細に調べた。この関係はLawrence--Zagierらにより1999年にポアンカレ・ホモロジー球面について初めて指摘された。ここでは、整ホモロジー球面でないザイフェルト多様体についてWRT不変量を具体的に計算し、やはり保型形式と関係があることを明らかにした。すなわち、重み3/2のベクトル保型形式のEichler積分のある種の極限値とWRT不変量が一致するのである。ここで用いられる保型形式も3次元多様体の基本群と密接に関連したものであることを示した。
|
Research Products
(2 results)