2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540114
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
平木 彰 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (90294181)
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Keywords | 距離正則グラフ / strongly closed subgraph / デザイン |
Research Abstract |
距離正則グラフにおいて「strongly closed」という性質を満たす部分グラフを考えると、 (a)距離正則(distance-regular) (b)距離2部正則(distance-biregular) (c)有限個の例外 となることが知られている。目標は「任意の2点に対して、その2点を含み2点間の距離を直径とするようなstrongly closedな部分グラフが存在するような距離正則グラフを分類すること」である。 得られた研究成果は次の通りである。 (b)部分グラフが距離2部正則の場合。そのような距離正則グラフは、Odd graph,doubled Odd graph,doubled Grassmann graph,のいずれかである。 (c)部分グラフが有限個の例外の場合。そのような距離正則グラフのパラメーターは有限個の場合に限定され、未解決な一部分を除いて、分類が完成した。 したがって、(a)部分グラフが(全て)距離正則の場合。が本質的である。 そのような距離正則グラフの具体例としては、Hamming graph,dual polar graph,Hermitian forms graphなどが知られている。これらは「Classical parameters」という特別な条件を満たす無限族であり、それぞれのグラフにはHamming subgraph,dual polar subgraph,Hermitian forms subgraphが自然な形で含まれている。条件を満たす距離正則グラフにおいて、strongly closedな距離正則部分グラフがなす構造を考えると、例えばdesignなどの良い性質をもつ構造が構成できる。これらの構造を表すパラメーターが満たす等式や不等式から、元の距離正則グラフの正則性を表すパラメーターに対する多くの等式や不等式が得られた。特に、多くの不等式において等号が成立するための必要十分条件が上で述べた具体例のいずれかグラフとなっていることを示した。また、「Classical parameters」を持つ距離正則グラフに対して、ある条件のもとで「任意の2点に対して、その2点を含み2点間の距離を直径とするようなstrongly closedな部分グラフが存在する」ことを示した。これを用いて、そのような距離正則グラフは2種類のパラメーターのいずれかを持つことが示された。そのうちのひとつはHermitian forms graphであることがすでに示されている。
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