2006 Fiscal Year Annual Research Report
数値計算アルゴリズムを用いた平均曲率流の解析的研究
Project/Area Number |
17540117
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 克幸 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (40232227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 健二 神戸大学, 海事科学部, 教授 (90028225)
影山 康夫 神戸大学, 海事科学部, 講師 (70304136)
内藤 雄基 神戸大学, 工学部, 助教授 (10231458)
桑村 雅隆 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30270333)
足立 匡義 神戸大学, 理学部, 助教授 (30281158)
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Keywords | 平均曲率流 / 数値計算アルゴリズム / 非線形偏微分方程式 / 粘性解 |
Research Abstract |
研究代表者の石井は外力のついた平均曲率流をAllen-Cahn方程式で近似した際の収束の速さについて研究した。1995年に準最良と呼ばれる評価が得られて以来進展が無かったが、近似解の精度を上げることにより、従来の結果を改良した。また、それが最良であることも示した。これはAdcances in Differential Equationに掲載される予定である(現在印刷中)。 丸尾は退化した半線形楕円型偏微分方程式に対する球対称な粘性解を研究した。無限遠方の漸近挙動を詳しく調べることにより、粘性解の個数が実数と同じ濃度を持つことを証明した。これはAdvances in Mathematical Sciences and Applicationsに掲載されている。 内藤は特異外力項をもつ楕円型偏微分方程式の全域解の存在・非存在および多重存在について考察した。半線形放物型偏微分方程式について、Sobolev臨界指数増大度の非線形項を持つ場合に解の爆発の速さについて研究し、とくに後方型自己相似解の解構造を明らかにすることによりtype IIと呼ばれる特異な速さで爆発する解の存在を示した。更に自己相似解に対して常微分方程式の手法を用いることによりその解構造を考察した。また、走化性粘菌の集中現象を記述する放物型モデルに対して、自己相似的に挙動する時間大域解の存在を示した。これらの結果はJournal of Differential quations, Banach Center Publications, Proceeding of Royal Society of Edinburghに掲載されている。 桑村は周期係数の線形ハミルトン系の固有指数の挙動を与えるKreinの公式を退化固有値の場合にも適用できるように拡張した。この結果はJournal of Differential Equationsに掲載されている。 足立は時間周期的に変動する一様電場で、その時間平均がゼロでないものの中における多体量子力学系に対する散乱問題を考え、相互作用ポテンシャルが長距離型である場合にも漸近完全性が成立することを示した。これは2体系の場合でさえも新しい結果である。この結果はCommunications in Mathematical Physicsに掲載が予定されている。
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Research Products
(10 results)