2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540132
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
由利 美智子 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70174836)
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Keywords | Nonhyperbolicity / Intermittency / Phase transition / Variational principle / Multifractal formalism / Weak Gibbs measure / Large diviation / Equilibrium state |
Research Abstract |
1.当該研究の目的「Large Deviation Theoryをnon-compactな力学系に対し確立する事により、複雑系の広い範囲に適用可能なエントロピーを定式化する」に対しては以下の成果が得られた.:有限値域構造を保持したマルコフ可算生成分割を保持する非可逆写像に焦点を絞り、Weak Gibbs measureに関するLarge Deviation Principleの成立を示した.具体的には、Helmholtz free energyを既に可算マルコフ変換に対して定式化しているTopological pressureに関連付け、Pressureに関する変分原理を利用してUpper large deviationに関する評価を得た。特に、予想されていた複雑系一般に見られる双曲型構造・拡大性の欠如という困難により、Pressureに関する変分原理と双対の関係にあるエントロピーに関する変分原理の成立には至らなかったが、その事が新しいタイプの相転移現象の発見につながり、Intermittencyの数学的定式化へのアイデアを得る事ができた。 2.当該研究の目的「Multifractal Formalismを介在して、劣指数的鋭敏性により引き起こされる相転移現象を明らかにする」に対しては以下の成果が得られた.:初期値に関する鋭敏性が劣指数的である区分的に正則な非可逆変換に対し、指数的鋭敏性を持つ誘導変換のWeak Gibbs measureに関するレベル1のUpper large deviationを成立させ、Multifractal spectrumの微分可能性に関する情報を得る事ができ、相転移現象を捕える事が可能となった.
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Research Products
(3 results)