2005 Fiscal Year Annual Research Report
非圧縮性粘性流体の自由境界値問題に対する解析的半群によるアプローチ
Project/Area Number |
17540156
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
清水 扇丈 静岡大学, 工学部, 助教授 (50273165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 良弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50114088)
菊地 光嗣 静岡大学, 工学部, 教授 (50195202)
星賀 彰 静岡大学, 工学部, 助教授 (60261400)
足達 慎二 静岡大学, 工学部, 助教授 (40339685)
中島 徹 静岡大学, 工学部, 助教授 (50362182)
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Keywords | 非圧縮性粘性流体 / 自由境界問題 / 最大正則性 / 解析的半群 / ストークス方程式 / ノイマン境界条件 / 準線形方程式 |
Research Abstract |
本年度は、非圧縮性粘性流体に対し表面張力を考慮に入れない場合の有界領域における自由境界問題を解析的半群によるアプローチで解析した。 まずは、自由境界問題の線形化問題であるストークス方程式に対するノイマン境界値問題に対し、最大正則性原理を証明した。自由境界値問題をラグランジュ座標系で定式化して固定境界に直すと、その方程式は準線形となる。微分可能でないデータに対してこの非線形問題解くために、線形化方程式に対して最大正則性の定理を証明することが求められる。まず圧力を消し流速のみのレゾルベント問題に帰着し解析的半群を生成した。そしてカットオフのテクニックを用いて全空間と半空間のモデル問題に帰着する。モデル問題の解作用素のR-有界性を示し、作用素値フーリエマルチプライヤーの定理を適用することによりモデル問題の解の最大正則性を示す。元の領域における解に戻すとき、剰余項として現れる低階項を解析的半群の指数減衰性を用いて評価して、時間大域的な指数安定な解の最大正則性定理を得た。さらに、時間局所的な解の一意存在とその最大正則性定理も得た。 そして、準線形方程式の初期-境界値問題における小さな初期値に対する指数安定な時間大域解の一意存在を、線形化問題の指数安定な最大正則性定理を用いて縮小写像の原理により証明した。さらに、準線形方程式の初期-境界値問題における任意の初期値に対する時間局所解の一意存在も、線形化問題の最大正則性定理を用いて縮小写像の原理により証明した。
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Research Products
(6 results)