2005 Fiscal Year Annual Research Report
再生核理論の視点に基づく高階・非整数階微分方程式のグリーン関数の構造研究
Project/Area Number |
17540175
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
武村 一雄 東京工科大学, メディア学部, 助手 (60367216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀高 惟倫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 名誉教授 (00047218)
永井 敦 日本大学, 生産工学部, 講師 (90304039)
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Keywords | グリーン関数 / 再生核 / ソボレフ不等式 / 最良定数 / 常微分方程式 |
Research Abstract |
平成17年度の研究は,再生核となるグリーン関数を各種境界条件の下で構成し,各種境界値問題とヒルベルト空間との対応関係を調べ,ソボレフ不等式の最良定数計算への応用を中心に研究を遂行し以下の研究成果を得た.グリーン関数があるヒルベルト空間の再生核になることを発見した.この事実に基づいて,ソボレフ不等式の最良定数および最良関数をグリーン関数の性質,特に対角線値の情報を詳細に調べることによって,計算することに成功した.具体的には,糸のたわみの2点境界値問題に対するディリクレ型,ノイマン型,周期境界条件に対応するソボレフ不等式の最良定数を計算した.特にディリクレ型境界条件でバネ定数に相当する定数が固有値の負の値に一致する場合は,ある可解条件と直交性条件を付加し対象直交化法と呼ばれる方法で一般化グリーン関数を構成することができ,再生核と対応するグリーン関数を構成することができた.また,半空間の棒のたわみに対応する問題においては糸のたわみ問題同様,グリーン関数が存在しない特殊な場合においても一般化グリーン関数を構成し再生核との対応付けに成功した.いずれの場合も,グリーン関数の対角線値を調べる事でソボレフ不等式の最良定数を計算することができた.以上の研究内容は現在論文執筆中,投稿準備中である. 今年度は研究打ち合わせ,成果発表を次の通り行った.研究打ち合わせを2005年に2回(5月(阪大),11月(防衛大))2006年に1回(3月(防衛大))でそれぞれ行った.国内成果発表としては,2005年9月18日から9月22日に岡山で行われた日本数学会において発表を行った.海外成果発表としては,カナダのゲルフ大学において2005年7月29日から31日に開催された国際会議International Workshop on Differential Equations and Dynamical Systemsにおいて発表,イスラエルにおいて2006年1月2日から6日に開催された国際会議Complex Analysis & Dynamical Systemsにおいてそれぞれ発表を行った.
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