2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540185
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒木 玄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10234593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 浩司 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30208483)
菊地 哲也 東北大学, 大学院理学研究科, COEフェロー (00374900)
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Keywords | 可積分系 / パンルヴェ方程式 / モノドロミー保存変形 / 量子化 / 離散化 / 超離散化 / 表現論 / 量子群 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画通りに「具体的な計算事例の蓄積」と「量子群上の非可換函数環の構成に関する様々な定式化の調査」を行なった.計算例の蓄積は次の通り.(1)奇数の準周期を持つdressing chainの量子化.奇数の準周期を持つdressing chainはPainleve IVの対称形式を含んでおり,2×2のL-operatorで表示でき比較的扱い易い.連続的時間発展とaffine Weyl群対称性の両方の量子化に成功した.(2)型幾何的crystalの量子化.A^<(1)>_<2g>型affine Weyl群作用の部分の量子化に成功した.しかもそのaffine Weyl群作用は長谷川によって構成されたものと変数変換で移り合うことも示せる.この場合は古典の場合に関しても新しい結果を含んでいる.筆者が知る限りにおいて幾何的crystalのPoisson構造が構成されているのはこの場合だけである.(3)q差分版のaffine Weyl群作用の量子化のL-operatorとLax表示の構成.量子化はすでに長谷川によって行なわれていたが,Lax表示は新しい結果である.さらに次のように量子群上の非可換函数環の構成法について調べた.(1)古典論の場合の既存の研究.Surisは古典r行列に関係した最も一般的なPoisson構造の構成法を与えた.(2)その量子化の研究.これは量子群の「直積」上の最も一般的な非可換函数環の構成を与える.RLL=LLR型の構成法だけでは足りずALBL=LCLD型の構成法が必要になる.これらの結果はq差分版のaffine Weyl群作用の統一的理解のために役に立つはずである.
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