2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540189
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
溝口 紀子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00251570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
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Keywords | 半線形熱方程式 / 不完全爆発 / 超臨界指数 / 複数回爆発 / type IIの爆発 |
Research Abstract |
冪の形をした非線形項をもつ半線形熱方程式の有限時間での解の爆発や時間大域的に存在する解の挙動を考えるとき、空間次元と冪の大きさの関係により、すなわち、冪がSobolevの意味での臨界指数より小さい場合と大きい場合では状況は全く異なる。冪が臨界指数より小さい場合はすでに研究が進み詳しい結果が得られている。しかし、冪が臨界指数より大きい場合はこれまでいくつかの結果が報告されているだけでほとんど研究されていなかったが、それらの中でとりわけ興味深いのは不完全爆発と時間を無限大にしたとき増大するような時間大域解の存在である。 古典解としては有限時間で爆発しているが爆発後弱解として延長できるような爆発を不完全爆発という。その存在はこれまでの結果によって知られていたが、それらの爆発後の挙動については全く分かっていなかった。私は今年度の研究で爆発後すぐに古典解になり時刻無限大で様々な挙動をする弱解の存在を示した。さらに、複数回爆発するような弱解を構成した。爆発後の弱解の挙動についてはこれまで爆発後すぐに古典解になりそのまま時間大域的に存在し時刻無限大で0に収束する解(peaking solution)だけだったので、このような複雑な振る舞いをする弱解の存在は興味深いと思われる。 また、特異定常解との関連により増大度が大きくなるような時間大域解の列を構成した。この結果では正確な増大度も決定した。これまでは特異定常解より下にあるような時間大域解の時刻無限大での増大に関する結果しかなく、その場合はある一定の増大度をこえないことが知られていたが、特異定常解と交点を持つ場合はもっと増大度の大きい解が存在することが分かった
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Research Products
(10 results)