2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千葉 柾司 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (50217246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 昌広 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (40374889)
峰崎 岳夫 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (60292835)
柏川 伸成 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員(研究職) (00290883)
井上 開輝 近畿大学, 理工学部, 講師 (70388495)
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Keywords | 宇宙物理 / 暗黒物質 |
Research Abstract |
本研究では、現在の宇宙構造形成理論の標準理論である冷たい暗黒物質理論において、その予測する暗黒物質サブハローが銀河周辺領域においてどのような状態で存在し、さらに銀河形態の形成とどのように関連しているのかを、理論と観測の両面から総合的に解明することを主眼としている。本年度は、暗黒物質サブハローが銀河円盤の動力学構造に与える影響を詳しく研究するとともに、昨年度行った重力レンズ現象に基づくサブハローの研究を引き続き行った。まず、詳細な数値実験に基づいて、暗黒物質サブハローによってどのように銀河円盤が厚くなるか、そして、現在観測される薄い円盤を維持するためには、サブハローの分布にどのような制限が付くかを考察した。さらに研究を進めて、いわゆる厚い円盤構造の起源との関連を調べ、観測される厚い円盤構造がサブハローとの力学相互作用による可能性がはじめて明らかになった。また、すばる望遠鏡によって相互フラックス比の異常を示す4重クエーサーの観測を引き続き遂行し、手前のレンズ銀河における暗黒物質サブハローの分布に関して新たな知見を得た。さらに、昨年度に引き続き、本研究チームの組織により、銀河スケールにおける暗黒物質(冷たい暗黒物質、ブラックホール)の存在形態を導く新しい方法論の確立、現有の観測装置に基づく暗黒物質の探査の実施とその解析方法の確立、暗黒物質の存在形態に関する理論的理解の確立、の3本柱を基にして、銀河における暗黒物質の存在形態を解明するための研究を進めた。そして、暗黒物質と銀河形成と進化と関係について新しい知見を獲得することができた。これらの研究成果は2編の論文掲載紙に発表し、さらに2編の論文が投稿済みとなっている。
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