2005 Fiscal Year Annual Research Report
原始惑星系円盤上空衝撃波によるダスト加熱とコンドリュール形成
Project/Area Number |
17540211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中本 泰史 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (60261757)
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Keywords | ダスト / 原始惑星系円盤 / 衝撃波加熱モデル / X線フレア / 結晶質シリケイト / コンドリュール |
Research Abstract |
本研究の目的は,星形成期における原始惑星系円盤に対するX線フレア起源の中心星からの星風の影響を明らかにすることであった.特に,結晶質シリケイトやコンドリュールなど加熱を受けたと思われるダスト粒子の起源との関係を調べることが主目的であった.この目的を達成するために,今年度は次のようなことを行った. (1)X線フレアの発生も含めた星風の伝播の数値計算を行った.具体的には,中心星と原始惑星系円盤,およびそれらを取り巻くコロナを考え,適当な磁場を想定してMHD数値計算を行った.いくつかのパラメータに対して計算を実行したが,一般にこれらの計算は,磁気圧が比較的高く,かつ中心星(〜0.01AU)から数AUまでの広い領域を含むため計算が容易ではなく,時間がかかる.よって,実行できた計算例は2例ほどにとどまった.今年度得られた計算結果については,現在,解析中である. (2)X線フレアによって原始惑星系円盤表面に衝撃波が形成されることが予想されるが,その衝撃波によってダスト粒子がどの程度加熱されるかを調べた.これにより,シリケイトダスト粒子の結晶化が起こる可能性について,その位置がある程度推定できた.ただし,詳細な検討は(1)の数値計算が全て完了してから行う必要がある. 第2年度は引き続き本研究の目的を達成するため,次のような研究を進める予定である. (a)X線フレアとその伝播のMHD計算をいろいろなパラメータに対して行い,X線フレア現象と原始惑星系円盤に発生する衝撃波との間の関係を調べ明らかにする. (b)円盤表面に発生した衝撃波が円盤内部に伝播する様子をより詳細に調べるためのモデルを開発する. (c)X線フレアと衝撃波を伴う原始惑星系円盤の観測的可能性を検討するため,輻射輸送計算を行う.
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Research Products
(3 results)