2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540214
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
土橋 一仁 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20237176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浦 慎悟 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (50372454)
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Keywords | 暗黒星雲 / 星間塵 / 赤外線天文学 / 星間ガス / 電波天文学 |
Research Abstract |
平成18年度中は、主として60cm電波望遠鏡(Very Small Telescope、以下VST)を用いた暗黒星雲のミリ波分子分光観測と、近赤外線点源(JHKバンド)のカタログである2 Micron All Sky Survey(2MASS)を用いた赤外線減光量マップの作成作業を行った。 平成17年度中にVST望遠鏡の大幅なリニューアルを完了し、平成18年度前半中にはオリオン座領域の暗黒星雲群およびIC5146近傍の暗黒星雲群に対する^<12>COおよび^<13>CO分子輝線による観測(回転遷移J=2-1による)を行った。平成18年度後半は、L1251およびへつかい座領域の暗黒星雲群に対して、同分子輝線による観測を遂行した。当初観測を計画していたおうし座の暗黒星雲群は天空での広がりが大きいため、観測時間の制約上、研究対象から外した。その代わり、コンパクトな暗黒星雲であるL134およびL1235を新たな観測対象として追加し、2種類の分子輝線による観測を行った。 観測した各々の暗黒星雲の減光量については、2MASSを用いて色超過マップを作成することにより、星間ダストの空間分布と赤化曲線の変化を追跡することを試みた。研究対象とした全ての暗黒星雲(群)に対して、E[H-K]およびE[J-H]の2種類の色超過マップを作成し、E[H-K]対E[J-H]の相関を暗黒星雲内外で調べた。 色超過マップと分子輝線のマップを比較したところ、ガス密度の高い分子雲コアではダストの赤化則の異常(色超過の比E[J-H]/E[H-K]の値が大きくなっている)が認められるケースがあることが分かった。また、密度の低い暗黒星雲周辺では、このような異常は認められなかった。以上より、高輻射率ダストの起源としては、低密度の暗黒星雲周辺ではaggregatesが、高密度の分子雲コアではbig grainが有望であることが強く示唆された。
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Research Products
(3 results)