2005 Fiscal Year Annual Research Report
太陽系形成論「京都モデル」から汎惑星系形成論「神戸モデル」への展開
Project/Area Number |
17540217
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中川 義次 神戸大学, 理学部, 教授 (30172282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 卓也 神戸大学, 理学部, 教授 (20026206)
相川 祐里 神戸大学, 理学部, 助手 (40324909)
野村 英子 神戸大学, 大学院自然科学研究科, COE研究員 (20397821)
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Keywords | 太陽系の起源 / 系外惑星 / 惑星 / 惑星形成 / 太陽系 |
Research Abstract |
本研究ではまず、ガス冷却・加熱間の局所熱平衡及び円盤鉛直方向の静水圧平衡の仮定の下、原始惑星系円盤内ガスの温度・密度分布を求め、そのダストサイズ依存性を調べた。その結果、ダストサイズ成長に伴いダスト数密度が減少し、円盤表面のガスの主な加熱源であるダスト表面の光電加熱率が小さくなる、即ちガス温度が低下することがわかった。次に求めた温度・密度分布を用い、円盤内水素分子各エネルギー準位の停在密度を計算した。ここで、円盤内においては主に紫外線励起及び衝突励起過程が停在密度を決定するが、ダストサイズ成長に伴い、上述の様に円盤表面のガス温度が減少する為、高エネルギー準位の停在密度は衝突励起による熱的な分布から、紫外線励起による非熱的な分布へと変化した。この結果、各水素分子輝線の強度比に変化が生じた。 本研究ではさらに、円盤内ダスト粒子の合体成長過程を赤道面への沈殿過程と共に計算した結果を用い、円盤内ダストの成長・沈殿が水素分子輝線へ及ぼす影響を調べた。その結果、ダスト沈殿に伴い紫外線が円盤赤道面付近まで届くようになる為、水素分子輝線放射領域は赤道面付近に移動した。また水素分子輝線は前述の領域におけるダストサイズ(ダスト数密度及び全ダスト表面積)に依存し、ダスト成長・沈殿開始後$10^5$年では、n(a)propto a^{-3.5},a_{max}=100mu m(aはダストサイズ)モデルと類似する輝線強度及び強度比が得られた。
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Research Products
(6 results)