2005 Fiscal Year Annual Research Report
恒星コロナグラフ撮像系開発による光学域超高感度星周ダスト分布探査
Project/Area Number |
17540221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
泉浦 秀行 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 主任研究員 (00211730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 好一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011740)
橋本 修 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究グループ, 専門員 (20221492)
岡田 隆史 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 助教授 (70142255)
清水 康広 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 研究技師 (60143517)
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Keywords | 恒星 / コロナグラフ / 星周 / ダストシェル / 散乱光 / 質量放出 / 赤色巨星 |
Research Abstract |
平成17年度においては、研究計画に従い以下の研究を推進した。 1 既存設備による観測の遂行: 暗い夜空、可視域の適切な撮像設備、豊富な観測時間の三つの要件を満たす国内の観測施設、東大・木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡と2048x2048ピクセルCCDカメラを利用して、泉浦と中田により赤色巨星二星のまわりのダストシェルをVバンドで深く探査した。これらの設備を用いただけで、うち一星のうみへび座U星に半径120秒角の光学ダストシェルが検出された。その天体について1ヶ月に一度のモニター観測を4ヶ月に渡り実施した。得られたデータの解析を現在進めている。その解析結果から中心星とダストシェルそれぞれの明るさの時間変化を調べ、ダストシェルを照らしている光源を特定し、ダストシェルの質量見積の精度を高める予定である。 2 恒星用コロナグラフの検討: 最終的な研究目標を達成することのできる恒星コロナグラフの検討・設計を研究代表者、研究分担者が協力して進めた。まず、実際の観測に必要な機能を洗い出し、光学部品の大きさや配置などの概略設計を進めた。それをもとに仕様をとりまとめ、より詳細な光学設計を光学会社に研究費により依頼した。視野の広さや結像性能などの観測性能、取り扱い易さ、大きさ、重さなどと製作コストとの兼ね合いから反射型のオフナー光学系とF比変換レンズ系を採用した。次年度に予定されている研究費配分額と照らし合わせ、製作コストに最も大きく寄与する視野の大きさを、最大で直径20分角の目標のところ、最終的に研究目標達成に最低限必要な直径8分角とした。結像性能は、ぐんま天文台の1.5m望遠鏡に装着した場合に、視野内全域で、B, V, R, Iの4バンドにわたりシーイング(1.6")限界が得られている。これらにより、次年度にコロナグラフ光学系の実際の製作に入る準備が整えられた。
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Research Products
(1 results)