2005 Fiscal Year Annual Research Report
核子共鳴領域における核子共鳴状態の原子核内質量の研究
Project/Area Number |
17540227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 寛仁 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90260413)
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Keywords | 実験核物理 / ハドロン物理 / 核媒質効果 / 中間子光生成 / カイラル対称性 |
Research Abstract |
本研究は東北大学大学院原子核理学研究施設(核理研)の1.2GeVストレッチャー・ブースター・リング(STBリング)GeVγビームラインから生成される標識付きGeVγビームを利用してη中間子光生成反応による原子核内S11(1535)核子共鳴の性質変化を研究することを目的とし,研究に必要な極低温標的の開発,実験,解析をおこなう.平成17年度は主に極低温標的の開発を行った. 極低温標的の開発では,まずはじめに,標的として使用する気体,極低温液体の導入システム,温度調整システムの設計を行った.しかしながら本研究に先立ち平成17年前期まで核理研で行われた炭素,銅,水素,重水素を標的としたη中間子光生成反応実験の結果,本研究で目的とするS11(1535)核子共鳴状態の核内での性質変化を研究するためには,当初使用を予定していた既設の検出器系では不十分であり,大規模な改造,増強を行う必要性が明らかとなった.それに伴い改造,増強後の検出器系に使用する極低温標的についても設計の変更が必要となった.そこで標的の導入システム,温度調整システムを見直し,新しい検出器系で使用できる極低温標的の設計を再度行った.これに際し本研究で使用する検出器と同種の検出器を使用している実験研究者の元に出向き,検出器と標的の関連などに付き議論する必要が生じた.この設計に基づき,極低温標的の製作を行っている. 上記の標的開発に加え,理論物理の専門家を核理研に招き今後の研究方針について議論を行い,本研究の方向性を決定する事ができた.
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