2005 Fiscal Year Annual Research Report
不安定核の応答・反応における多粒子系ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
17540231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中務 孝 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (40333786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢花 一浩 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70192789)
橋本 幸男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (50189510)
伊藤 誠 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 研究員 (30396600)
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Keywords | 原子核構造 / 原子核反応 / 応答関数 / 時間依存密度汎関数理論 / 時間依存平均場理論 |
Research Abstract |
本年度において具体的な成果として挙げられるものは、不安定核、特に中性子ハロー核の融合断面積の研究と自己無撞着集団座標法による大振幅集団運動の研究である。前者について我々の結論は、弱く束縛された中性子は核半径を増大させることに寄与するが、融合断面積を増大させることはなく、むしろ減少させることに寄与することを3体の量子散乱理論に基づいて示したことである。後者は、平均場(密度汎関数)理論において無視されることの多い(時間反転に対して符号を変える)密度が、集団運動の質量パラメータに大きな影響があることを示した。これらは、現在論文を投稿中もしくは掲載予定である。 また、来年度以降の成果に対する準備として、時間依存密度汎関数理論に基づく孤立系・周期系の実時間応答計算のプログラムの並列化に取り組み、同様のテクニックを有効核力を用いた時間依存平均場理論に基づく原子核応答計算用プログラムの並列化に応用を図った。当初、MPIの通信に要する時間がCPUの計算時間を大きく上回り、CPU数を増やしても効率が上がらなかったが、現在は大規模並列計算において、計算と通信の経過時間比がほぼ1:1にまで改善した。これにより、CPU数にほぼ比例したパフォーマンスが得られることを確認した。また、射影法と生成座標法を用いた原子核構造研究のプログラムの並列化にも取り組んだ。こちらのプログラムもほぼ完成した状況である。
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Research Products
(3 results)