2006 Fiscal Year Annual Research Report
クォークの閉じ込めとグルーオンの質量及び非可換幾何学における場の理論
Project/Area Number |
17540234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西島 和彦 東京大学, 名誉教授 (50011424)
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Keywords | 非可換空間座標 / 非可換量子場 / QUANTUM SHIFT / 空間座標のゆらぎ / カラーの閉じ込め / 量子色力学 / ゲージの選び方 / グルーオンの質量 |
Research Abstract |
1.非可換量子場 空間座標同志が非可換でその交換子がc数である時に、その様な空間での場の量子論の研究が対象である。 この様な理論において非可換な空間座標を幾何学的で可換な座標と座標によらぬ量子論的なゆらぎ、すなわちQUANTUM SHIFT、との和として表現する事により今までに知られている非可換量子場の理論が再現できる事が既に示されている。そこで超対称性理論の様にGRASSMANN座標が存在する様な場合にも幾何学的で反可換な座標と座標によらぬゆらぎとの和として表現する事により非可換超対称理論が再現される事が新しく示された。 さて非可換量子場においてはPOINCARE不変性が破れているが、その代わりにTWIST POINCARE不変性という性質があり、それのよって素粒子にスピンという性質を付与する事ができる。この議論はCOPRODUCTという数学的に複雑な道具を必要とするが、実はQUNTUM SHIFTを利用することによりTWIST POINCARE INVARIANCEという対称性が直感的にかつ数学的に簡潔に表現できる事が明らかになった。 2.カラーの閉じ込め ゲージ理論のおいては物理的な結果、例えば、素粒子の質量とか散乱断面積等の観測可能量はゲージの選び方によらないものと信じられてきた。しかしながら、ゲージ理論において種々なグリーン関数をゲージを特徴ずけるパラメターの複素関数とみなし、その依存性をくりこみ群の方程式を用いて調べてみると、複素平面上でしばしば関数が不連続となる線が存在する事に気が付く。この問題はQCDとQEDにおいて調べられた。その結果は、前者のおいては不連続線が存在し、その線の上と外側では全く異なる物理法則が成り立つ事が判明した。この事は特にカラーの閉じ込めの問題やグルーオンの質量の問題と密接に関係しており、重要な意義をもっている。また、後者のいいては不連続線は存在しない事が示される。
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Research Products
(3 results)