2005 Fiscal Year Annual Research Report
低温核偏極からのα,β崩壊に於ける核変形効果の研究
Project/Area Number |
17540241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大矢 進 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90092676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 隆 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (70262425)
泉川 卓司 新潟大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (60282985)
武藤 豪 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90249904)
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Keywords | 実験核物理 / トンネル現象 / 放射線,X線,粒子線 |
Research Abstract |
この研究は低温核偏極で原子核スピンを偏極させてα、β線の角分布の測定実験を行い,原子核の変形ポテンシャルの影響を測定するものである。本年度は初年度であり,検出器の性能検査と核スピンを偏極させるための^3He/^4He希釈冷凍機の改造を行った。α、β線測定用の浜松ホトニックス製のSi-PINダイオードが0.7Kの低温で作動するかどうかテストをする目的と^<95>Zrのニッケル中の内部磁場の測定のため,オーストラリア,New South Wales大学のグループと共同研究を行った。その結果,接着剤を用いていないSi-PINダイオードは0.7Kの低温でも十分作動することが検証できた。^<95>Zrのβ線の異方性は温度約10mKで1-2%であった。^<95>Zrはベータ崩壊して^<95>Nbになりまたβ崩壊して^<95>Moになる。そのためエネルギーの低い部分はこの両方のβ線の影響で異方性が小さくなった可能性がある。予想される^<95>Zrと^<95>Nbのニッケル中の共鳴領域,14MHzと40MHz領域をそれぞれサーチしてみたが共鳴は見出されなかった。New South Wales大学の実験でもSi検出器とプリアンプの距離が1m以上あり,途中の拾うノイズ減らしのシールド対策に苦労した。これらの問題を解決するにはSi検出器とプリアンプの距離を出来るだけ短くする必要がある。そのため新潟大の^3He/^4He希釈冷凍機の底の部分の改造設計を行った。0.7Kのシールド部分に設置されたSi検出器からのリード線は,真空層を経由して液体ヘリウム層へ入り,そこを出て,真空層に入り,液体窒素の温度アンカーを経由して室温の外部に出る構造にした。この結果Si検出器とプリアンプの距離が10cm以内に収まるようになる。現在組み立て中である。
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