2006 Fiscal Year Annual Research Report
原子炉ニュートリノ振動実験KASKAのためのGd入り新液体シンチレータの開発
Project/Area Number |
17540258
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原 俊雄 神戸大学, 理学部, 助教授 (50156486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 州 神戸大学, 理学部, 助手 (20243298)
作田 誠 岡山大学, 理学部, 教授 (40178596)
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Keywords | 液体シンチレータ / 原子炉ニュートリノ / KASKA / Gd / 経年変化 / 減衰長 |
Research Abstract |
1.Gd入り液体シンチレータ(KASKA実験ではGdの含有率は0.1%を想定)の発光量の経年変化 BC521(Gdの含有率0.5%の液体シンチレータ)をPseudocumene(PC)とTetradecane(TD)で希釈して、Gdの含有率が〜0.1%の液体シンチレータを以下の3種類作成し、その発光量の経年変化を測定した。 BC521:PC:TD=(1)20%:20%:60%、(2)30%:10%:60%、(3)20%:10%:70% 発光量は、放射性元素Coからのγ線を使いそのコンプトンエッジを測定することにより求める。経年変化を調べるために、温度を上げての加速テストを継続的に行っている。KASKA実験での使用温度は20℃以下であるが、保存温度は(PCの引火点を考慮して)20℃、30℃、40℃で行った。450日に渡り発光量を測定しているが、いずれの温度でも劣化は現れていない。KASKA実験は5年間のデータ取得を想定しているが、以上の加速テストの結果から、3種類のGd入り液体シンチレータはKASKA実験に十分使用可能な性能を備えていることが分かった。 なお、正確を期すため、継続して測定を行う。 2.原子炉(高速増殖実験炉:常陽)ニュートリノ検出実験に使用しているGd入り液体シンチレータの光の減衰長 平成18年10月から常陽の炉心から〜30mの位置で、ニュートリノの検出を続けている。使用しているGd入り液体シンチレータの溶液構成は、PC:13.5v%、パラオール:76.5v%、PPO:3.6g/l、bis-MSB:0.053g/l、BC-521:10v%である。長さ2mの筒にGd入り液体シンチレータを封入し、宇宙線μ粒子を利用して光の減衰長を測定した。その結果、光の減衰長は、930(+3400,-410)cmであり、常陽実験を遂行するのに十分な値である。
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