2006 Fiscal Year Annual Research Report
加速器設計・ビーム運転・ビーム物理学のための総合計算コードSADの開発
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17540280
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
小磯 晴代 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (80170174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生出 勝宣 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (50150008)
鎌田 進 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (70100815)
大見 和史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (10194292)
大西 幸喜 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究機関講師 (30332117)
森田 昭夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (80353366)
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Keywords | 高エネルギー粒子加速器 / ビーム物理学 / 衝突型加速器 / ルミノシティ / 計算機シミュレション / ビーム光学系 / 力学口径 / 空間荷電効果 |
Research Abstract |
国際リニア・コライダー(ILC)、KEKB、スーパーBファクトリー、LHC、J-PARC、など現在計画・建設・ビーム稼働中の高エネルギー粒子加速器おいて、ビーム性能に対する高い要求を実現するために加速器計算コードが果すべき役割は極めて大きい。本研究では、設計からビーム運転にわたる加速器研究の全過程において有用な総合計算コードSAD(Strategic Accelerator Design)の開発を進めている。 世界最高ルミノシティで稼働中のBファクトリーKEKBにおいて、SADは既に不可欠の存在である。ビーム光学系の制御はSADのオンライン・モデルに基づいてなされており、モデルの精密化、光学系補正の高度化などにより、高ルミノシティを達成するために必要な半整数共鳴線近傍での安定なビーム運転が可能となっている。KEKBのビーム光学系は多自由度を有しているが、その特徴を充分に生かすには光学系パラメタの最適化が重要である。2005年度に導入した専用プラットフォームを活用して、力学口径を拡大するための6極磁場(54自由度)最適化法が開発されている。KEKBでは2007年2月にクラブ空洞が設置され、世界初のクラブ交差方式による衝突実験が始まっている。クラブ衝突の原理を実証し、ビームビーム・チューンシフト・パラメタを大幅に向上させるには、より精密なビーム・パラメタ制御が必要である。コミッショニング・グループと協力して、水平エミッタンスやシンクロトロン・チューンを変えた様々な条件下でのビーム計測、広範囲のパラメタ探索、ビーム光学系測定・補正方法の更なる精密化・高速化が進行中である。 SADは様々な加速器のビーム現象を統一的に取り扱うことを目指している。ILCダンピング・リングの空間電荷効果の評価・力学口径評価、ナノビーム型スーパーBファクトリーの力学口径評価、などによりこれらの加速器の設計研究に貢献し、また、エネルギー・フロンティアで稼働間近のLHCへの応用(例えば光学系の誤差解析・補正)も積極的な検討が始まっている。2006年にKEKで開催されたワークショップSAD2006において、様々な加速器におけるSADの有用性が報告されており、汎用コードとして保守性・移植性・可塑性を高めるよう開発が進められている。
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Research Products
(4 results)