2006 Fiscal Year Annual Research Report
ファイバー形状エアロジェルを用いた新しい検出器の開発
Project/Area Number |
17540284
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
足立 一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00249898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 昌平 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (20370075)
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Keywords | エアロジェル / 屈折率 / チェレンコフ光 |
Research Abstract |
エアロジェルの透明度向上及び形状の最適化の実施においては、屈折率1.045から1.050のサンプルについて、調合溶液の比率を変化させ、試作した。これらのサンプル形状は、およそ100mm×100mm×20mmを用いた。この試作から、波長400nmで、透過長40mm以上のサンプルの製作条件の確立が、ほぼできあがったと考える。さらに、これらの湿度、水分に対する耐久性の試験として、サンプルに蒸留水中に数分おき、その前後で透明度及び屈折率の変化の有無を調べた。その結果、光学的特性が全く変化しないことが確認できた。この事実から、高透明度の今回のエアロジェルサンプルを、超高圧の水によって物質を切断するウオータージェット装置などを使用して、機械加工すれば、ファイバー形状など、任意の形への加工が可能であることがわかった。さらに、実際の検出器製作上で問題となる接着可能性の試験も実施した。数種類の接着剤をエアロジェルの表面に塗り、そのテストサンプルを、ケースにいれ、数ヶ月置いておき、その間数回、透明度の変化の有無を測定した。その結果から、エポキシ系接着剤を使用すれば、エアロジェルの光学的性能に劣化は見られないという知見が得られた。 光検出器としては、マルチアノードのハイブリッド光検出器のテストを行ない、エアロジェルから発生するシングルフォトンに対して感度があるか、また雑音などの基本特性の試験を実施した。ハイブリッド光検出器の製作自身、浜松フォトニクスとの協議によって進めたが、当初は真空リークなどの問題で、なかなか製作が困難であった。2006年末にできたサンプルでは、シングルフォトンについては感度が得られ、雑音はS/Nで約5程度の数字が得られた。
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