2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540286
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岡田 安弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20212334)
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Keywords | フレーバー物理 / 標準模型 / ニュートリノ / レプトンフレーバー / ミュー粒子 / タウ粒子 / Bファクトリー / 左右対称性 |
Research Abstract |
1.左右対称模型におけるレプトンフレーバーの破れ ニュートリノ振動の発見以来、ニュートリノの小さな質量がどのような機構で生成されたのかを解明することが素粒子物理の大きな課題になっている。通常のシーソー機構ではニュートリノの質量生成のスケールはTeVスケールに比べて非常に大きいため、その物理の効果はニュートリノ物理以外に現れることが少ない。一方、TeVスケールに原因があるシナリオでは、コライダー物理や荷電レプトンのレプトンフレーバーの破れの過程に、関連したシグナルが現れる可能性がある。ここでは、そのような模型の例とした、左右対称性に基づいた模型を考え、レプトンフレーバーの破れにどのような効果が期待できるかを調べた。特に、タウ粒子のレプトンフレーバーの破れとミュー粒子の稀崩壊の関連を詳しく調べ、ニュートリノの大きな混合が模型のどのセクターから生じるかによってこれらの過程に期待されるシグナルの大きさが異なることを明らかにした。この結果は、これから始まるMEG実験(ミュー粒子の光子と陽電子への崩壊の探索実験)やBファクトリーにおけるタウ粒子のレプトンフレーバーの破れの探索で確かめられる可能性がある。これらの結果を論文にまとめ現在投稿中である。 2.リトルヒッグス模型と暗黒物質 標準模型を超える可能性として近年議論されているリトルビッグス模型はTパリティーを導入することで暗黒物質の候補を含むことができる。この模型の重いトップとゲージ粒子のパートナーによる電弱精密測定の制限、宇宙め暗黒物質の残存量、および銀河中のハローの暗黒物質対消滅による陽電子のシグナルの観測可能なパラメーター領域の関連を調べた。
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Research Products
(2 results)