2005 Fiscal Year Annual Research Report
2,3次元フォトニック結晶による巨大ファラデー効果の発現
Project/Area Number |
17540290
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大高 一雄 千葉大学, 先進科学研究教育センター, 教授 (40010946)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 応用光学・量子光工学 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
2年にわたる研究の初年度であるので計画通り平成18年度の研究の予備的側面の研究を行い次のような実績を上げた。 1.磁場が入った大規模なT行列を用いた数値計算のチェックに利用できるT行列の性質、すなわち、T行列がその次元にかかわらず行列式の値が1となること、を本研究課題の共鳴散乱チャンネル数が無限の系に対し示した。 2.Mie共鳴が、誘電体球の内部での光子の仮想束縛状態と球外部の平面波状態の重なり積分に支配され、共鳴の鋭さが重なり積分の幕で決まることを示した。これは遷移金属原子を不純物として含む単純金属におけるsd相互作用と類似のことがMie共鳴にも適用できることを示している。 3.減衰波(evanescent wave)によって媒介されるフォトニック結晶外部での共鳴散乱効果を見るためにATR配置でのエネルギー流束の保存則を導出し、外部を走る電子と円筒配列フォトニック結晶との相互作用による共鳴的な光子放出過程に適用した。 4.有限のフォトニック結晶によるスミス・パーセル(SP)放射のスペクトルを計算し、電子速度が極端に相対論的である場合は、電子からの減衰波光子が平面波と同様に振舞い、従来受け入れられていたSP放射の機構では説明し得ない新しい共鳴シグナルを生じさせるを示した。この結果、東北大学と理研のチームによる実験データのほぼ全容が解明された。 5.誘電体球によって共鳴的に散乱されてくる共鳴光子のシグナルの角運動量を調べ、磁場を球にかけた場合とそうでない場合の光子散乱スペクトルにゼーマン分裂が現れるかをしらべた。この点はまだ最終的な結論までは至っていないので、平成18年度に継続する。
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Research Products
(2 results)