2006 Fiscal Year Annual Research Report
2,3次元フォトニック結晶による巨大ファラデー効果の発現
Project/Area Number |
17540290
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大高 一雄 千葉大学, 先進科学研究教育センター, 教授 (40010946)
|
Keywords | フォトニック結晶 / ミー共鳴 / 球配列フォトニック結晶 / ファラデー効果 / アンダーソンモデル / 仮想束縛状態 |
Research Abstract |
磁場中の物質(誘電体、半導体、金属)に偏光平面波光を入射させるときの光の偏光面の回転(Farady回転)は微弱な現象である。本研究は、球配列フォトニック結晶(PC)を用いて、回転の大きさを増強させたり、入射波の方向を磁場でコントロールしたりする可能性を理論的に示し、定量的に大きさを見積もることを目的にしている。このために、狙った成果は以下の3つである。(a)まず孤立した単独の球形物質に対して磁場をかけた状況下で入射平面波の振る舞いを理論的に解明し、(b)磁場がかかったPC中での光子のハミルトニアンによる定式化と光子場のゼーマン分裂の理論を完成させ、(c)ついで現実のPCに対して数値的な解析をする。以下、(a)(b)(c)について述べる。 (a)は、完全に達成した。(b)は、光アンダーソンモデルのパラメターの決定が完了して球における仮想束縛状態の、束縛が強い場合のハミルトニアンは完成した。しかし、角運動量指数が小さくて束縛が弱い場合に、得られた定式化ではカバーできない難問が生じた。この意味で(b)は半分しか達成されなかった。この未解決問題で、今後の研究の狙いが絞れた。この理由で、(c)にまで課題研究を進ませることができなかった。しかし、(c)の代わりに、(d)球配列フォトニック結晶におけるスミス・パーセル放射の実験と理論の不一致の解明、という課題に集中的にエネルギーを注ぎ、実験と一致する理論のスペクトルを得るという成果を挙げた。総じて、狙った目標の7割5分の達成度であった。
|
Research Products
(3 results)