2005 Fiscal Year Annual Research Report
垂直分極をもつ半導体表面界面の第一原理計算に基づく非局所光学応答理論
Project/Area Number |
17540291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 隆史 千葉大学, 理学部, 教授 (70189075)
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Keywords | 垂直分極 / 表面界面 / 光学応答スペクトル / 第一原理計算 / 生体アミノ酸 / 荷電表面 / 非局所応答 / 偏光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、垂直分極を持つ表面界面の光学応答スペクトルの第一原理に基づく計算方法を開発し、有機分子/半導体界面などの光学物性解明をとおしてスペクトル形状の一般理論をつくることである。本年度得られた知見は以下である。 1.垂直分極光学応答スペクトル計算法の開発: 強結合の電子状態計算法に基づき、垂直分極表面の非対角偏向および非局所性を初めて取り入れた厳密な線形応答スペクトルの計算方法を開発した。この方法を簡単な非対称ダイマーSi(001)およびエチレン吸着Si(001)表面に適用し、(1)バルク電子状態と表面電子状態のいずれもが非局所応答を示すが、対称性の破れた表面電子状態だけが非対角偏向をもちスペクトル強度を変化させること、(2)その変化は電子状態の局在性が強いほど大きい(数10%)こと、(3)非対角成分は吸着分子の配向に強く依存しスペクトルピークを消滅させる可能性もあることを理論的に明らかにした。 2.荷電表面の電子状態計算法の開発: 垂直分極が最大となる荷電表面の電子構造の第一原理計算法を開発し、その検証として荷電Si,Al表面の仕事関数を求めた。 3.アミノ酸/Si(111)界面の電子構造の解明: 20種類の生体アミノ酸分子が吸着したSi表面の電子構造を第一原理計算で明らかにし、その光学励起スペクトルを解明した。特に、(1)アミノ酸のHOMO軌道からSi伝導帯への光学励起イオン化が可能であること、(2)その原因は界面結合に起因した混成にあり、混成強度に比例してスペクトル強度が変化することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)