2007 Fiscal Year Annual Research Report
垂直分極をもつ半導体表面界面の第一原理計算に基づく非局所光学応答理論
Project/Area Number |
17540291
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 隆史 Chiba University, 大学院・理学研究科, 教授 (70189075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 祐己 千葉大学, 先進科学研究教育センター, 特任教員 (50423083)
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Keywords | 表面界面 / 第一原理計算 / 生体アミノ酸 / 界面分極 / ファンデアワールス結合 / 電荷中性理論 / 過渡電流 / 量子摩擦 |
Research Abstract |
本研究の目的は,垂直分極を持つ表面界面からの光学応答スペクトルの第一原理計算法を開発し,有機分子/半導体界面の電子光学物性を解明すると共に,垂直分極理論の一般化と展開をはかることである。本年度に得られた知見は以下である。 1.有機分子/半導体界面の分極と電子光学物性; 生体アミノ酸と半導体基板が共有結合した界面では,電子状態の混成が起こりアミノ酸の光学励起イオン化が可能になること,イオン化してもアミノ酸と基板の結合は室温で安定に保たれることを明らかにした。この結果は,界面と光を使うことでタンパク質機能を人工的に制御できることを意味する。一方,基板分極の非局所相互作用を取り入れることで,有機分子と基板のファンデアワールス結合を正しく再現できる第一原理計算法を国内外で初めて開発した。この開発により物理吸着状態の解明も可能となった。 2.一般化界面分極理論の構築と電荷移動の動的理論への展開; 界面電子状態の混成を取り入れた一般化電荷中性理論を構築し,今まで説明のできなかった金属/high-k界面のバリア異常の起源を解明した。また,理論の妥当性を,金属/HfO2, La203界面の第一原理計算で証明すると共に,薄膜界面層は金属のフェルミ面をピン止めすることを見出した。一方,界面電荷移動の動的理論を初めてつくり,分子と金属電極のナノコンタクト界面における過渡電流の緩和,分子振動の量子摩擦効果を明らかにした。これら研究成果により,表面界面における分極の静的,動的振る舞いの新しい描像が形成された。
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Research Products
(10 results)