2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540296
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 伸也 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (70239614)
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Keywords | 超格子 / 半導体 / 強磁場 / 量子輸送 / カオス / 非平衡 / ランダウ量子化 / ワニエ・シュタルク量子化 |
Research Abstract |
平成18年度は,磁場印加角度が零度の場合について(E, B)空間[電場・磁場空間]の全領域にわたり,GaAs/AlAs半導体超格子の伝導度を計算するプログラムを作成した.作成したプログラムは非平衡グリーン関数法に基づいており,ワニエ・ランダウ状態を基底関数に選んでいるため,ミニバンド状態からワニエ・シュタルク局在状態への遷移を連続的に取り扱うことが可能であるという特徴を有する.散乱過程としては,極性光学フォノン散乱,音響フォノン散乱,弾性散乱(不純物散乱)を取り込んだ.作成したプログラムによる計算結果と英国ノッティンガム大学のグループによる測定結果とを詳細に比較することにより,エネルギー散逸と超格子の縦方向輸送との関係を定量的に解明した.特に,散乱が適当に強い場合,サイクロトロンエネルギーをミニバンド幅で規格化することにより,超格子の伝導度の磁場依存性がユニバーサルな曲線になることを計算機シミュレーション上でも確かめた.それら得られた結果を,平成18年7月24日から7月28日に開催された第28回半導体物理学に関する国際会議にて報告した.本年度は,また,平成18年11月19日から11月25日まで,海外研究協力者であるノッティンガム大学Eaves教授のグループを訪問し,これまでの研究内容と今後の研究方針について打ち合わせを行った.そこでは,ノッティンガム大学において,ウィグナー関数法を用いて進められている傾斜磁場下における波動関数の振る舞いと古典的なカオス軌道と関連に関する研究と,本研究で進めている非平衡グリーン関数法に基づく結果との比較と今後の方針についての打ち合わせを行った.
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Research Products
(4 results)