2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体中の深い不純物を利用したテラヘルツレーザの研究
Project/Area Number |
17540297
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
中田 博保 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60116069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 研一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10189988)
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Keywords | テラヘルツ / 半導体物性 / 量子エレクトロニクス |
Research Abstract |
Si:Pについてテラヘルツのレーザ発振を確認するとともにGe:As、Ge:ZnとGe:Teについて赤外の光伝導により不純物準位を詳細に調べテラヘルツレーザの発振の可能性について検討した。端面を正確に平行に研摩した5x7x7mm^3の直方体のPをドープしたSiの試料をドイツのDLR研究所から供給してもらった。試料を液体ヘリウム中にセットし1MWのTEAへ炭酸ガスレーザで励起し発光をGe:As検出器で検出した。励起光の入射角度に非常に敏感であり励起強度依存性に閾値があることからレーザ発振を確認した。検出器の特性を調べるためTEA炭酸ガスレーザ励起で赤外の光伝導の測定をGe:AsとGe:Znに対して行った。 Ge:Asは発散的な、Ge:Znは飽和的な非線形な依存性が観測された。Ge中の不純物準位を詳しく調べるため自由電子レーザを用いて赤外光伝導の実験を行った。フォノン吸収による伝導の減少以外にGe:Asでは120meV、Ge:Znでは115meVに光伝導の減少が観測された。ともに自由キャリヤがLOフォノンを放出して不純物の励起状態に緩和する過程に対応していると考えられる。Ge:TeではFano効果と見られる構造が観測され1_S(T_2)状態のイオン化エネルギーが10.5meVと求められた。これらの実験結果から深い不純物を利用しても1s(T_2)状態のイオン化エネルギーは比較的小さいのでテラヘルツレーザの発光エネルギーは5meV程度とSiと比較するとかなり低い振動数で発振することが予想される。
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Research Products
(1 results)