2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
伊東 千尋 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (60211744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 浩嗣 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (30186275)
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Keywords | 光キャリア / フェムト秒時間分解干渉法 / 光ホール効果 / チタン酸ストロンチウム / アナターゼ型二酸化チタン |
Research Abstract |
1、フェムト秒時間分解干渉法を用いたSrTiO_3結晶の光キャリア寿命測定 SrTiO_3結晶の光キャリアの寿命を明らかにする為に、フェムト秒時間分解干渉法によるキャリア寿命測定を実施した。フェムト秒時間分解干渉法は、試料に約80psの時間間隔を付けた二つのフェムト秒プローブパルスを入射させ、二つのパルスを分光器に入射することで生じる千渉縞を測定し、最初のプローブ光から遅延時間を付けて照射したポンプ光による干渉縞の変化から屈折率の変化を測定する方法である。光キャリアはドルーデ型の誘電応答を示す為、負の屈折率変化を与える。10Kで、ポンプ光(λ=800nm)の二光子励起を用いてsrTiO_3結晶を基礎励起し、これによる位相変化を測定した。ポンプ光の照射によって生じる屈折率変化は非常に大きな負の変化であり、その変化は測定時問範囲内(80ps)で約5%の減少を示すにとどまった。指数関数型の減衰を仮定して得られた減衰曲線から、キャリアの寿命はおよそ1nsと見積もられる。今後、赤外光をプローブに用いた過渡光吸収測定により、光キャリア寿命の直接測定を実施し、SrTiO_3結晶の光キャリアの実態を明らかにする。 2.アナターゼ型Ti_2結晶における光ホール効果の測定 アナターゼ型TiO_2結晶で見出された永続光伝導に寄与するキャリアの性質を明らかにする為に、ゾルゲル法により作製したアナターゼ薄膜を試料として光ホール効果の測定を行った。350nmの励起光を定常的に照射した際のホール起電力をvan der Pauw法により測定し、室温でホール係数R_<11>=-0.87[m^3/c]を得た。得られたホール係数の符号より、電子が多数キャリアであることがわかった。また、今回の実験条件の下で、光キャリア濃度はおよそ10^<12>[cm^<-3>]と見積もることができた。
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Research Products
(4 results)