2006 Fiscal Year Annual Research Report
STM/STSによる層状ダイカルコゲナイドナノチューブの基底状態の研究
Project/Area Number |
17540308
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市村 晃一 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (50261277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 悟明 北海道大学, 大学院理学研究院, 講師 (10222308)
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Keywords | 層状化合物 / ナノチューブ / STM / STS |
Research Abstract |
気相反応法によって生成した層状化合物NbSe_2で構成されたナノチューブにおいてSTM/STS測定を行った。4.2K以下の低温において単層NbSe_2ナノチューブの鮮明なSTM像を得ることに成功した。この結果によりNbSe_2ナノチューブの原子配列が判別され、カイラル角が求められた。これと走査プロファイルから求めた直径からNbSe_2ナノチューブのカイラル指数(螺旋度)が初めて決定された。その結果、今回調べたNbSe_2ナノチューブについては、ナノチューブごとにカイラル角も含めた螺旋度が異なることがわかった。また、いずれもが螺旋度の対称性の低いカイラル型であることが明らかになった。これらの事実はNbSe_2ナノチューブの生成機構に対し何らかの示唆を与える。 また、NbSe_2ナノチューブの先端付近のSTM像を得ることができた。その結果、カーボンナノチューブと同様にNbSe_2ナノチューブの先端は半球もしくは円錐状に終端されていることが見出された。 これらのNbSe_2ナノチューブに対し低温においてSTS測定を試みてきたが、再現性のあるトンネルスペクトルが得られていなかった。これはNbSe_2ナノチューブと基板であるグラファイトとの電気的接触が不十分であるためと考えられる。このため、別な基板として真空蒸着により雲母上に金の薄膜を準備した。この際に、雲母を最適な温度に加熱することにより原子スケールで平坦な金の薄膜を得る方法を確立した。
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Research Products
(5 results)