2005 Fiscal Year Annual Research Report
砒素を含む充填スクッテルダイト化合物超伝導体の研究
Project/Area Number |
17540309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 ちひろ 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (60261385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松平 和之 九州工業大学, 工学部, 助手 (40312342)
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Keywords | 強相関電子系 / 結晶成長 / 超伝導材料 / 電子・電気材料 / 物性実験 |
Research Abstract |
リン、アンチモンを含む充填スクッテルダイト化合物に関する研究は異方的超伝導、重い電子系的振舞、非フェルミ液体的振舞、多極子転移など興味深い現象が多く発見され、大きく進展しているが、砒素を含む充填スクッテルダイト化合物の研究は大きく立ち遅れている。この原因として試料合成が極めて困難であることがあげられる。リンを含む充填スクッテルダイト化合物の合成と同様に高圧合成法を用いて、砒素を含む充填スクッテルダイト化合物の合成を試みているが、純良な単一相試料を得るまでには至っていない。そこで、本研究では砒素を含む充填スクッテルダイト化合物の純良試料を作成する方法を確立し、砒素を含む新充填スクッテルダイト化合物の物質開発を目的とした。 化学反応が進む温度や融点などの試料作成条件を決定するために、高圧合成中の試料の変化を観察する方法として、放射光X線を用いる方法と、超音波を用いる方法の開発を行った。超音波法では、超小型探触子を高圧装置に使用するアンビルに取付け、本申請により購入したシグナルジェネレータを組み込んだ測定システムにより、常圧での超音波波形を観測する予備実験を行なった。放射光X線を用いた実験は高エネルギー加速器研究機構の放射光施設において、高圧合成中の試料の"その場観察実験"を行った。その結果、CoP_3,CoSb_3などの二元系スクッテルダイト化合物の高圧下における単結晶育成条件を決定することができた。また、PrRu_4P_<12>などの充填スクッテルダイト化合物の高圧下における融点を決定することに成功した。この方法は砒素を含む充填スクッテルダイト化合物の試料合成条件の決定にも有効であると考えられる。
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Research Products
(5 results)