2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規有機超伝導体における「電荷秩序相」と「超伝導相」の競合と共存状態の解明
Project/Area Number |
17540315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 初果 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00334342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 伸也 東京大学, 物性研究所, 助手 (20361660)
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Keywords | 有機超伝導体 / 電荷秩序 / チェッカボード型 / 圧力誘起 / DMBEDT-TTF |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)「電荷秩序状態」を加圧下で抑えて「超伝導化」する新規有機超伝導体β-(DMBEDT-TTF)_2PF_6および周辺物質において、広い圧力範囲で伝導性、磁性を測定し、(2)「電荷秩序相」と「超伝導相」の競合・共存に関する電子相図を完成し、(3)両相の発現機構を明かにすることである。特に、有機伝導体の物質パラメーターを変化させた圧力下の伝導率、磁化率測定を本研究では行って、有機伝導体における電荷秩序と超伝導の関係を探ることである。 平成17年度の成果は、以下のとおりである。 (1)新規有機超伝導体β-(meso-DMBEDT-TTF)_2AsF_6の発見と電子相図の作成 溶媒などの条件を絞り、高品質の単結晶を作成して、β-(meso-DMBEDT-TTF)_2AsF_6のTc=4.3K(P=3.8kbar)における超伝導転移を、電気抵抗測定で見出した。磁場下で超伝導転移の振る舞いを測定したところ抵抗ドロップは抑えられ、転移点直上での磁気抵抗の増大より、超伝導と電荷秩序の競合が観測された。 (2)新規超伝導体β-(meso-DMBEDT-TTF)_2PF_6のラベル化 β-(meso-DMBEDT-TTF)_2PF_6の常圧おける金属相および絶縁相の電荷秩序状態を調べるために、^<13>CS_2を原料としてラベル化したドナーを測定した。
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Research Products
(6 results)