2005 Fiscal Year Annual Research Report
重い希土類元素を含む充填スクッテルダイト型化合物の単結晶作製方法の確立
Project/Area Number |
17540319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
石川 義和 富山大学, 理学部, 教授 (20143836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑井 智彦 富山大学, 理学部, 助教授 (10251878)
光田 暁弘 富山大学, 理学部, 助手 (20334708)
水島 俊雄 富山大学, 理学部, 助教授 (50135000)
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Keywords | スクッテルダイト型化合物 / YbFe4Sb12 / メスバウワー効果 / 弱い強磁性 / 遍歴磁性 / 単結晶 / 磁化 / 比熱 |
Research Abstract |
(1)YbFe4Sb12は、Ybの価数が混合価数状態にある混合価数物質であると言う点から注目されているが、今まで、低温で弱い強磁性を示すという報告や磁性をほとんど示さないという報告があり、特に低温での磁性の起源があいまいのままであった。我々は、2Kで弱い強磁性成分を有するYbFe4Sb12と2Kでほとんど常磁性的な性質を示すYbFe4Sb12の2つのYbFe4Sb12の試料を作製し、LaFe4Sb12を参照物質として用いて、これらのメスバウワー効果と磁化の詳細な実験的研究を行った。(a)室温、磁場中でのメスバウワースペクトルの結果から、Fe原子には局在的磁気モーメントがないこと、(b)センターシフトの温度変化には試料依存性がないこと、(c)四重極分裂の温度変化の試料依存性はYb濃度の相違が原因であること、等が明らかになった。(研究発表の雑誌論文1) (2)YbFe4Sb12の6つの単結晶をフラックス法にて作製し、磁性、比熱の詳細なデータを出し、それぞれの試料のYbの濃度x(YbxFe4Sb12)をEPMAにより求めた。その結果、それぞれの試料の磁気的熱的性質の相違はYbの濃度と明白な相関があることが明らかになった。(a)作製された試料のTcはxの増加とともに減少し、(b)2Kでの小さな強磁性m0もxの増加とともに減少し、(c)x=0.93以上でTcとm0は消失し、(d)μ eff/m0 vs Tc/T0曲線は典型的なRhodes-Wohlfarth図の曲線に一致し、(e)YbFe4Sb12の弱い強磁性はYbの欠陥の量に依存したFeの遍歴磁性が起源である、と推測できた。(論文準備中、物理学会にて発表済)
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Research Products
(6 results)