2006 Fiscal Year Annual Research Report
重い希土類元素を含む充填スクッテルダイト型化合物の単結晶作製方法の確立
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17540319
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
石川 義和 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (20143836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑井 智彦 富山大学, 理工学研究部(理学), 準教授 (10251878)
光田 暁弘 九州大学, 理学研究院, 準教授 (20334708)
水島 俊雄 富山大学, 理工学研究部(理学), 準教授 (50135000)
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Keywords | スクッテルダイト型化合物 / YbFe4Sb12 / メスバウワー効果 / 弱い強磁性 / 遍歴磁性 / 単結晶 / 磁化 / 比熱 |
Research Abstract |
(1)昨年度に引続き、YbFe4Sb12のフラックス法による単結晶試料を多数作製し、その磁気的熱的性質を実験的に調査し、更に、EPMAによるYbFe4Sb12の組成比との関係を詳細に検討した。その結果、YbFe4Sb12の磁気的熱的性質はYbの欠損の量に強く依存していることが明らかになり、YbxFe4Sb12と表記したとき、xとTc、moの間の関係が実験的に明確にされた。また、YbxFe4Sb12の磁気的性質はYbが担っているのではなく、遍歴的なFeの磁性が起源であることが明らかにされた。従来から注目されていたYbxFe4Sbl2の価数揺動振舞いの原因が明らかになり、また、強い試料依存性の原因が明らかにされたことは、この研究の初期の目的が達成されたことであり、価値があることである。この研究成果は、国際会議ICM2006(雑誌論文の7)で発表され、雑誌J.Phys.Soc.Jpn.(雑誌論文の1)に公表された。 (2)YbxFe4Sb12のxとTc、moの間の関係が明らかになったことから、Mossbauer効果の実験(2005年度にJ.Phys.Soc.Jpn.既に一部発表済み。今年度の雑誌論文10に再掲)の結果を更に詳細に検討し、また新たな実験データを付加して検討した結果、Ybの欠損のある場合とない場合のMossbauer効果の四重極分裂、また、アイソマーシフト中心が異なることを見出し、逆に、Mossbauer効果の実験結果から、YbxFe4Sb12のYbの欠損量を算出することが可能であることを見出した。(J.Phys.Soc.JPn.に投稿中) (3)広島大学の藤博士の協力により、多結晶試料YbxFe4Sb12を用いたNQRの実験を行った。SbのNQR信号から四重極周波数、非対称パラメータ等を導出した。また、TITの温度依存性および静的な磁化率(磁化)の値から、強磁性スピン揺らぎの存在が示された。これからYbxFe4Sb12においては遍歴的な強磁性配列状態が実現していると示唆された。(雑誌論文の9)
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Research Products
(17 results)