2007 Fiscal Year Annual Research Report
結晶反転対称性を持たない強磁性体UIrの圧力誘起超伝導
Project/Area Number |
17540344
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
山本 悦嗣 Japan Atomic Energy Agency, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (50343934)
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Keywords | 超伝導 / 強磁性 / 純良単結晶育成 |
Research Abstract |
今年度は近年加圧によって新たな強滋性相や超伝導の存在が明らかになった強磁性体UIrから発展させてUT(T:遷移元素)の単結晶育成と物性測定を行った。この中で周期表でIrの上に位置するRhとの化合物URhの単結晶育成を試みた。 URhはU-Rh相図ではその存在が示されていない物質であるが、NaraineらがURhの存在をEMPAで検出している。また多結晶について約57Kのキュリー温度を持つ強磁性体であることが明らかになっているが、結晶構造はいまだ明らかではなかった。今回U:Rh=1:1の組成比でアーク溶解したものを石英管に真空封入し900℃で36時間アニールした。この物質をEMPAで解析すると、組成比がおよそ1:1の均一相の物質であり、またX線回折の結果はUIrと同じPbBi型結晶構造で説明できることを明らかにした。これはa=5.604A,b=10.451A,c=5.607A,β=100.07°の空間群P2_1に属する単斜晶構造である。この試料はまだ完全な単結晶ではないが、UIrと同じくイジング型の大きな磁気異方性を持ち、その容易軸方向の飽和磁化はUIrよりも大きい0.65μBであることも明らかにした。 この物質は常圧では超伝導を示さないが、UIrと同様に高圧下での超伝導が期待でき、これらの研究を通してUIrを含めた結晶反転対称性を持たない強磁性体における超伝導機構解明が進展することが予想される。
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Research Products
(2 results)