2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁場反転実験でのヒステリス・ループ面積のフラクタル・スケーリング
Project/Area Number |
17540346
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
長谷川 博 茨城大学, 理学部, 助教授 (70282283)
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Keywords | 熱力学エントロピー / フラクタル・スケーリング / シャノン・エントロピー / 量子Entanglement / 量子カオス / 長時間相関 / ヒステリス・ループ / 磁気反転実験 |
Research Abstract |
長時間相関を持つ系の熱力学から予想される現象を実証することを試みている。 近年我々は長時間相関を持つ系の熱力学の理論を構築した[1-3]。系が1/fノイズを示すような長時間相関場合、熱力学エントロピー生成(過剰発熱)は外場周期Tのフラクタル(分数冪)・スケーリングを示す。熱力学エントロピー生成はヒステリス・ループの面積として測定される。金属薄膜の磁気反転実験での検証を行っている。 また首都大学東京の田中篤司氏の研究によればシャノン・エントロピーは量子Entanglementを計る量として重要であり、量子系での熱力学エントロピー生成は、シャノン・エントロピーに関連する。我々の理論によれば、長時間相関を持つ量子系では、量子Entanglementはフラクタル・スケーリングを示し、実験で検証される可能性が高い。我々は量子Entanglementのフラクタル・スケーリングを実証することを目指す。そのために厳密に扱える量子系での理論計算や簡単なモデルでの精密な数値計算を行い、更には量子カオスの実験での検証を目指している。 1."Generalization of the Fluctuation-Dissipation Theorem for Excess Heat Production,"Hiroshi H.Hasegawa and Y.Ohtaki, Advance in Chemical Physics 130(2005)353-371. 2."Thermodynamics of a System with Long Time Correlations,"Hiroshi H.Hasegawa Chun-Biu Li and Y.Ohtaki, International Journal of Quantum Chemistry 98(2004)138-144 3."Fractional Power Scaling of Excess Heat Production,"Hiroshi H.Hasegawa Chun-Biu Li and Y.Ohtaki, Physics Letters A307(2003)222-228.
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