2006 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙実験を想定した超臨界流体における超高速熱輸送の研究
Project/Area Number |
17540355
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三浦 裕一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30175608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 充 宇宙航空研究開発機構, 総合技術研究本部宇宙先進技術研究グループ, 主任研究員 (80358530)
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Keywords | 超臨界流体 / 熱輸送 / 微小重力環境 |
Research Abstract |
超臨界流体において、通常の遅い熱拡散過程ではなく、音波による高速熱輸送が現実に起きていることが、我々が独自に開発した、時間分解能1μsに及ぶ高速高精度の光学干渉計による密度測定により、確認されてきた。即ち、パルス加熱により音波が発信される現象が実証されたが、特に、加熱エネルギーの音波への変換効率は初めて実測され、理論的予測と定量的に一致した。 この超高速熱輸送のメカニズムを研究するため、更に臨界点に接近する必要がある。臨界点に接近するにつれ、流体の密度揺らぎが発散し、多重散乱光が急激に増大することが測定の障害となる。この多重散乱光が迷光となって干渉計に侵入するため、干渉縞が不明瞭になり、流体密度の測定感度が低下する。その対策として、光源のレーザーを可視光から赤外線に変更した。散乱強度は光の波長の4乗に逆比例するため、迷光は大幅に低減でき、明瞭な干渉縞が得られた。ただし、原理的に密度感度も半減することになるが、光検知系のノイズ対策により感度を補い、克服できた。 更に、宇宙実験を想定して、温度制御系など装置全体の小型化も進め、完全自動測定のために、調整を必要としないための要素技術も開発した。 これらの結果の一部は、米国の学術雑誌に発表され、第23回宇宙利用シンポジウム(07年1月17日、於学術会議、宇宙機構が開催)や物理学会(06年9月;26pZA-6,07年3月;19pRD-11)で速報された。更に、解析を進め、論文にまとめる予定である。
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Research Products
(1 results)