2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチューブにおける潤滑と摩擦の素過程およびナノマシンの力学
Project/Area Number |
17540357
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
川口 高明 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (10273913)
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Keywords | 摩擦 / ナノシステム / 潤滑 / ナノトライボロジー |
Research Abstract |
ナノ材料界面系の理論モデルをもとに,潤滑と摩擦の素過程友びナノマシンの基礎について,主に計算機シミュレーションの方法で調べた。その詳細は以下のとおりである。 まず,ナノマシンシステムへの応用な考えて,ナノ摩擦と潤滑速度等に関する制御方法について考察した。駆動されや物質の表面原子層に対して,一定及び振動の両成分をもつ外力を加えて,ある条件下で潤滑速度が一定に固定されるモードロッキング現象が現れることを見出した。このモードロッキング現象は,界面に潤滑物質が存在する場合でも現れることも明らかにした。これによって,この現象を利用することで,ナノ潤滑の速度制御が可能となることを指摘した。この結果は,ナノマシンの動作を考える際にも重要であり,マシンの潤滑運動の制御可能性にもうながる発展性を持っている。また,モードロッキングにおいては,振動外力の振幅,周波数に加えて,界面の周期性及び原子間相互作用弧度が重要な効果をもっことも明らかになった。 次に,ナノ界面における潤滑物質又はナノチューブのような多層構造の摩擦現象への効果について,ナノスケールのレベルで考察した。潤滑物質を含む界面もしぐは多層の界面構造を格子モデルで記述して,外力駆動される物質表面で現れる最大静止摩擦力の性質を中心に解析した。その結果,界面の条件によっては,駆動表面の最大静止摩擦力は常に有限にとどまる効果が潤滑物質又は多層の原子層によってもたらされることが明らかとなった。この事から,潤滑物質等の界面構造の系では静止摩擦が必ず低減させるようになるとは限らず,摩擦を増強させる可能性もあることが,一般的な性質として明らかになった。
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Research Products
(4 results)