2007 Fiscal Year Annual Research Report
中性原子ボース・アインシュタイン凝縮現象の熱場の量子論に基づく定式化
Project/Area Number |
17540364
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山中 由也 Waseda University, 理工学術院, 教授 (10174757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 雅彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 特定課題推進員 (20386600)
峰 真如 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (80434306)
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Keywords | 場の量子論 / 物性基礎論 / ボーズ・アインシュタイン凝縮 / 数理物理 |
Research Abstract |
【研究目的】中性原子Bose-Einstein凝縮(以下BECと略記)において、凝縮体まわりのゆらぎを記述するBogoliubov-de Gennes方程式(以下BdG方程式と略記)に複素固有値が現れるパラメータ領域があることが知られている.この複素固有値の出現は系の不安定性に関係すると考えられ、我々は特にこの問題を場の量子論の枠組みに取り入れることで非平衡状態記述の手がかりを得ることを目的としてきた.渦のあるBEC系や光学格子ポテンシャル中を流れるBEC系を主対象とし、その不安定性を定量的に評価することを目的とした.またBdG方程式に複素固有値が現れる条件を解析的に求めることも目指した. 【研究方法】光学格子を流れるBECについて、我々はまず強結合近似および第1バンドに限る近似をした.その上で、外場による系の微小擾乱に対する密度線形応答を場の理論的に評価した.また、複素固有値が現れる条件については、摂動論による解析的手法を取った.すなわち、固有値がすべて実数になるような結合定数を考え、結合定数のその値からの"差"を摂動パラメータとして、複素固有値が現れる条件を探った. 【研究結果】光学格子を流れるBECに関する数値計算の結果、複素固有値が現れるパラメータ領域で、密度線形応答が指数関数的に時間変化した.このことは系の不安定を表すと考えられる.また、初期の状態準備には"複素モードの励起"に対応するパラメータがあり、これがある値では、Gross-Pitaevskii方程式による古典的解析と同じ結果が得られることがわかった.また、BdG方程式に複素固有値が現れる条件については、ある縮退したモードの存在が本質的であることを見出し、特に高次の量子渦を持ったBEC系に対しては、2モードのみの縮退が本質的であることを明らかにした.
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[Presentation] 12007
Author(s)
T.Sunaga, E.Fukuyama, M.Mine, M.Okumura, and Y.Yamanaka
Place of Presentation
早稲田大学
Year and Date
2007-09-14
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