2005 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外半導体レーザーの差周波発生を利用したテラヘルツ分光計の開発
Project/Area Number |
17540375
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小田島 仁司 明治大学, 理工学部, 助教授 (50233557)
|
Keywords | テラヘルツ / 遠赤外 / 差周波発生 / 分子分光 |
Research Abstract |
本研究は,2台の850nm帯近赤外半導体レーザーの差周波を,低温成長GaAsフォトミキサーで発生させ,得られる周波数可変なテラヘルツ電磁波を利用して,様々な物質のテラヘルツスペクトルを得る分光計を開発するものである.本年度の研究概要は以下のとおりである. 1.半導体レーザーの周波数安定化 周波数可変なテラヘルツ電磁波は,2台の外部共振器型半導体レーザーのうち一方をCsのD2線にロックし,他方の周波数を掃引することにより得る.周波数のロックに関しては,CsのD2線のスペクトルを観測して,それを基にエラーシグナルを作り,外部鏡に取り付けたPZTにフィードバックをかける方法で,〜MHz程度の精度のロックは達成できている.これは,液体,固体の分光には十分な精度であるが,気体の高分解能分光にはさらに高精度のロックが必要であるので,引き続き周波数の安定化に取り組んでいく. 2.周波数計測 発生したテラヘルツ電磁波の周波数は,2台の半導体レーザーの周波数の差から求められる.周波数をロックした方のレーザの周波数は既知である.パーソナルコンピューターからの指令でもう一方の半導体レーザーの周波数を掃引してその周波数を波長計で読み取り,テラヘルツ電磁波の周波数を計測するシステムを作製した.波長計による周波数計測の精度は〜30MHzであるので,さらに測定精度を上げるために,EO変調器で光コムを発生させ,周波数計測をする実験に着手した. 3.テラヘルツ電磁波の発生 近赤外半導体レーザーの光源に関しては,最低限の準備ができ,フォトミキサー周辺のレンズ,マウントの製作も完了したので,テラヘルツ波を発生させ,それを液体ヘリウムで冷却したボロメータで検出する実験に着手した.
|