2005 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性分子集合体相転移の散逸粒子動力学シミュレーション
Project/Area Number |
17540384
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
中村 浩章 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (30311210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 祐一 核融合科学研究所, 理論シミュレーション研究センター, 助手 (50311212)
加藤 直 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 教授 (30142003)
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Keywords | ソフトマター / 両親媒性分子 / シミュレーション / 相転移 / 散逸粒子動力学 / 可視化 / 分子動力学 / 粗視化 |
Research Abstract |
本研究では、ミクロ(分子)な性質がマクロ(集合体)の構造形成にどう影響を及ぼすかを調べるために、C_nE_m水溶液系の自己組織化構造形成・相転移ダイナミクスをメゾスケールシミュレーションにより解明することを研究目的とする。このメゾスケールシミュレーション法としては、従来の分子動力学法の粗視化したアルゴリズムといえる「散逸粒子動力学、(以後DPD)」を用いた。具体的には以下のテーマを初年度(平成17年度)は行った。 研究対象として、C_<12>E_6水溶液の自己組織化構造の転移現象をDPDシミュレーションで調べた。このテーマは、これまでに行ってきたC_<12>E_6水溶液の自己組織化構造形成のDPDシミュレーションを出発とした。このC_<12>E_6水溶液の自己組織化構造形成シミュレーションでは、溶媒(水)中にランダムに分散したC_<12>E_6分子が自己組織化を行うダイナミクスを、様々な温度と濃度の場合について調べた。この計算から、例えば、50%の濃度では低温でヘキサゴナル相、60%ではラメラ層になることを得ていた。これらの計算結果をまとめた相図は、実験結果に一致し、シミュレーションの妥当性を裏付けることができた。 さらに、得られた相図をもとに、温度を変えて、ある相から別の相への相転移過程のダイナミクスをDPDシミュレーションにより分子レベルで詳細に調べることができた。具体的には、濃度50%かつ高温状態でのミセル相が、低温にするとヘキサゴナル相への相転移する様子などを調べた。次に、濃度を変えた場合の相転移を調べる。例えば、ヘキサゴナル相の溶質濃度を60%に上げるとラメラ相へと構造が変わる。これらの相転移過程構造のダイナミクスを分子レベルで詳細に調べた。
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Research Products
(6 results)